【トナカイ】
『あーいそがしい。』
トナカイのアンディは世界中の子供たちから届く手紙の整理に大忙しです。
「コンコン!」
【トナカイ】
『ハーイ。』
【郵便屋】
『郵便です。』
【トナカイ】
『ご苦労様でしたー。』
【トナカイ】
『あれ?』
【サンタクロース】
『どうした?アンディ。』
サンタクロースは、アンディに尋ねます。
【トナカイ】
『サンタクロースさん、この手紙見てよ!』
トナカイは今来たばかりの封筒を渡します。
サンタクロースは封筒の差出人を見て首をかしげました。
【サンタクロース】
『ドードー山のヘレンとジョンは記憶にないなー。
どれ、ちょっと休憩して手紙を読むか。』
トナカイは紅茶をいれにキッチンへ行きます。
【サンタクロース】
『アンディ!大変だ。私たちは大変なミス を犯していたぞ。』
【トナカイ】
『どうしたんですか。』
【サンタクロース】
『とにかくこれを読んでごらん。』
トナカイは手紙を受け取り、読み始めました。
<子熊の手紙>
サンタクロースさん、初めまして。
僕は子熊のジョンです。
クリスマスの日に僕とお母さんは冬眠しているので、サンタクロースさんのことは知りませんでした。
ごめんなさい。
お母さんも友達も、みんなの山も大切にします。
良い子にしますから、いとこのマーティンと同じバック・パックをください。
色は大好きな森の色と同じ緑にしてください。
あともう一つお願いがあります。
いいえ、このお願いが一番です。
お父さんがどこかで生きていて、帰ってきてくれる事をお願いします。お父さんは山を護るために人間に鉄砲で撃たれて、川に流されてしまいました。
お父さんにもう一度会わせて下さい。
もし会えたらもうずーとプレゼントはいりません。
子熊のジョンより
【トナカイ】
『泣かせる、善い話じゃないですか。
サンタクロースさん。これは失敗ですねー。
あなたは罪な人だ。』
【サンタクロース】
『人ごとみたいに言うな。
何で、トナカイのおまえが冬眠している動物に気がつかないんじゃ。』
【トナカイ】
『そんなこと言ったって、僕は普通のトナカイじゃないし、それにトナカイは冬眠しないんですから。』
【サンタクロース】
『そりゃそうじゃ。
くだらんことを言っていないで、とにかくデータの確認をしてみよう。』
サンタクロースとトナカイはパソコンで過去のデータを確認します。
【サンタクロース】
『やっぱり忘れていたようじゃ。』
【トナカイ】
『もう、お年ですかねー。』
【サンタクロース】
『おたがいさまじゃ。
アンディは手紙の整理をやっておくれ。
わしはジョン以外の冬眠する子供たちを調べてみるから。』
【トナカイ】
『はーい。』
サンタクロースとアンディはクリスマスに間に合うように、プレゼントの準備や、初めて行く子供たちの確認に大忙しの日が続いています。
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